MLBドラフトとは?仕組み・ルール・日本との違いを解説

メジャーリーグ・ベースボール(MLB)では、毎年6月に「アマチュア・ドラフト(MLB Draft)」が開催されます。これは、全米の高校・大学・独立リーグ・海外選手など、アマチュア選手がプロ入りを目指すための重要なイベントです。

日本でもNPBドラフトが広く知られていますが、MLBドラフトは「制度の目的」「仕組み」「指名方法」「契約ルール」など、細かい点が大きく異なります。本記事では、MLBドラフトを初心者にも分かりやすく解説し、NPBとの違いも丁寧に比較していきます。

MLBドラフトとは?基本概要を分かりやすく解説

MLBドラフトは、正式には「MLB First-Year Player Draft」と呼ばれ、アマチュア選手が最初にMLB球団と契約する際に利用される制度です。1965年に導入され、現在まで続くMLBの重要な選手獲得ルールのひとつとなっています。

ドラフトが存在する理由は、戦力均衡を図るためです。弱いチームが優秀な若手選手を獲得しやすくすることで、リーグ全体の競争力を保つ仕組みとなっています。

MLBドラフトの主な対象選手

  • アメリカ国内の高校生
  • アメリカ国内の大学生
  • アメリカ国内のジュニアカレッジ(短大)選手
  • カナダなど一部の北米地域の選手
  • アメリカ滞在歴のある国外出身選手

特に注目されやすいのが大学生と高校生。毎年1000人以上もの選手が指名され、そのうち契約する選手は600〜700人ほどです。

MLBドラフトの仕組み:指名順はどう決まる?

MLBドラフトの指名順は、「前年度の成績が悪いチームから順に指名する」という明確なルールがあります。最下位のチームが1巡目のトップ指名を獲得し、前年のワールドシリーズ優勝チームが最後に指名します。

この仕組みにより、弱いチームが有望な若手選手を獲得でき、リーグ全体の競争力が維持されるのです。

MLBドラフト指名順の基本ルール

  • 前年度の勝率が低いチームが優先
  • ポストシーズン進出の有無も考慮される
  • 抽選(ロッタリー)が導入される年もある

2023年からはNPBと同じように「ドラフトロッタリー(抽選)」が導入され、最下位チームが必ず1位指名とは限らなくなりました。とはいえ、弱いチームが有利である点は変わっていません。

MLBドラフトの指名ルール:何巡まである?

MLBドラフトは非常に規模が大きく、日本のように12球団・育成含め120人程度とは比べ物になりません。MLBでは30球団が40巡目まで指名する時代もありましたが、現在は20巡制となっています。

MLBドラフトの基本ラウンド数

  • 1巡目〜20巡目まで
  • さらに補償指名(Compensation Picks)が追加される
  • 総指名数は毎年600〜700人規模

補償指名とは、FA選手が他球団に移籍した場合などに、元の球団が追加で獲得できる指名枠のことです。これにより、失った戦力を少しでも取り戻せるようになっています。

指名された後は?MLBの契約とマイナーリーグの仕組み

MLBドラフトで指名された選手は、すぐにMLBの試合に出るわけではありません。基本的には契約後、マイナーリーグ(MiLB)で育成されます。

契約後の流れ

  1. ドラフト指名
  2. 契約交渉(締切は7月)
  3. 契約合意
  4. マイナーリーグへ配属
  5. 数年かけてMLBを目指す

選手によっては高卒なら3〜6年、大学生でも2〜4年程度かかるのが一般的。早い選手は1年足らずでメジャーデビューすることもあります。

契約金(サイニングボーナス)も特徴的

MLBでは、指名順位によって契約金(サイニングボーナス)の「推奨額(スロット値)」が決められています。

たとえば1巡目全体1位の選手なら、契約金が7〜9億円に上ることも珍しくありません。逆に下位指名は数百万円程度と差が激しいのが特徴です。

MLBドラフトとNPBドラフトの違いを徹底比較

MLBドラフトはNPBドラフトとルールが大きく異なります。ここでは分かりやすいように主要な違いをまとめます。

項目 MLBドラフト NPBドラフト
指名順 成績の悪いチームから順に指名 1位は入札抽選、2位以降はウェーバー方式
ドラフト対象 高校・大学・短大・一部海外選手 高校・大学・社会人
指名巡数 20巡+補償指名 1〜7巡+育成枠
契約の仕組み 契約金はスロット値でほぼ決定 契約金上限はあるが比較的自由
契約後の進路 マイナー→MLB 1年目から1軍の可能性も大いにある

このように、MLBとNPBでは「指名方法」「育成方法」「契約方法」が大きく異なります。特にMLBでは戦力均衡を重視しているため、弱いチームが良い選手を獲得しやすい環境が整えられています。

なぜMLBドラフトは重要なのか?

MLBドラフトは、球団の未来を決める非常に重要なイベントです。新人選手の能力は将来の戦力に直結するため、各球団はスカウト体制を強化し、1年以上も前から候補選手を追跡します。

また、契約金が非常に高く、ドラフト順位による期待値もはっきりしているため、アメリカではドラフトが「国民的イベント」として扱われることも多いです。

まとめ:MLBドラフトはアメリカ球界の根幹を支える重要制度

MLBドラフトは、アマチュア選手がプロの世界に飛び込む大きなチャンスであり、球団にとっても将来のスターを獲得する重要な機会です。日本のNPBドラフトと比べても制度が大きく異なり、アメリカ独自の「戦力均衡」「育成文化」「契約の仕組み」が強く反映された制度といえます。

MLBをより深く理解するためには、「ドラフトの仕組み」を知ることが非常に役立ちます。MLB観戦がもっと面白くなること間違いなしです。